照明計画を最後に決める設計プロセスは、今も多くの現場で標準だ。間取りが決まり、壁が決まり、床が決まってから、最後に「どこに照明を付けるか」を考える。Mosaic Elmwoodではこの順序を逆にしている。光の入り方を先に決めてから、壁の位置を考える。その理由を、具体的なプロジェクトの事例を交えて説明する。

照明を後回しにすると何が起きるか

照明を最後に決めると、器具の選択肢が「既存の構造に付けられるもの」に限定される。天井の高さ、梁の位置、コンセントの場所。これらの制約の中で照明を選ぶと、光の方向と質が空間のコンセプトと合わないことが多い。結果として、照明器具の数が増え、空間が「明るいだけ」になる。

光を構造として設計するとは

光を構造として設計するとは、「どこから光が来るか」を間取りと同時に決めることだ。窓の位置と大きさ、間接照明のための壁の厚み、スポットライトのための天井の高さ。これらは、照明器具を選ぶ前に決まっていなければならない。目黒の新築住宅(2022年)では、照明計画を先に決めたことで、当初の想定より照明器具が6灯少なくなった。

昼と夜の光を別々に設計する

住宅の照明設計では、昼の自然光と夜の人工照明を別々に考える必要がある。昼は窓の位置と庇の角度で光をコントロールする。夜は間接照明とスポットライトの組み合わせで、昼とは異なる空間の表情をつくる。同じ部屋が、朝と夜で別の空間に見える設計が理想だ。

照明計画の具体的なプロセス

Mosaic Elmwoodの照明計画は、施主へのヒアリングから始まる。「朝7時にどの部屋で何をしているか」「夜10時にどこで過ごすか」という行動の記録が、照明の設計図になる。その後、照度計算と光源の選定を行い、可能な場合は実際の空間でモックアップを作って確認する。代官山のアパレル店舗では、照明の試作を4回繰り返した。

照明器具の選定基準

照明器具は、光の質(色温度・演色性)と形状の両方で選ぶ。住宅の場合、色温度は2700〜3000K(電球色)を基本とし、演色性Ra90以上の器具を使う。器具の形状は、できるだけ目立たないものを選ぶ。照明器具が見えるほど、光そのものへの注意が分散する。

照明計画について具体的に相談したい方は、初回30分の無料相談をご利用ください。プロジェクトの段階に関わらず、話を聞きます。